ボツリヌス治療とは
また、ボトックス治療(注射)もボツリヌス治療(注射)のことで、アラガン社製の「ボトックスビスタ」という商品名の注射剤を使用するため、そのように呼ばれています。
歯ぎしりや食いしばりにおける
ボツリヌス治療の効果
咬筋は下顎の「エラ」と呼ばれる部分にある、頬骨から下顎骨にかかる筋肉です。咬筋の発達している方は、エラを触りながら強く噛みしめると、筋肉の盛り上がりを感じることができます。
ボツリヌス治療により、歯ぎしりや食いしばりを全くしなくなるということはありませんが、筋肉自体の働きを緩めることができるので、結果として歯ぎしりや食いしばりの頻度を少なくする効果が期待できます。
治療後は咬む筋力が低下するため、固いものが少し噛みにくくなることや顎が疲れやすくなりますが、全く噛めなくなるということはありません。
当医院で使用するボツリヌストキシン製剤
一般的にボトックス治療の名前で認知されていますが、当院ではボトックスのジェネリック医薬品である「NABOTA(ナボタ)」を使用しております。ナボタは、韓国最大の医薬品メーカーであるデウン製薬が製造した最新のボツリヌストキシン製剤で、安全性や品質は日本の厚生労働省に似た役割をもつ、FDA(アメリカ食品医薬品局)とKFDA(韓国食品医薬品安全庁)に認可されています。
今までFDAに認可されていたものはアラガン社の「ボトックス」のみでしたが、韓国のナボタが認可されたことで、ボトックスと同じレベルの安全性が世界的に認められたと言っても良いでしょう。
また、ナボタは大韓民国新薬開発賞「技術輸出賞」を受賞したことに加えて、他にはない98.7%の最高純度の天然系ボツリヌス毒素A型を含有しています。また、世界60カ国余りに対して輸出契約を結んでいます。
ボツリヌス治療の効果持続期間
その後、徐々に効果が薄れ、3~4カ月ほどで効果がなくなります。そのため効果を継続させたい方は、3~4ヶ月間隔で注射を行います。
また、ボツリヌス治療を継続する場合でも、治療間隔が長くなる場合や、治療の必要がなくなる場合もありますので、治療を続けなければいけないというわけではありません。
薬が効きすぎた場合でも、時間が経てば元の状態に戻るという安心感もあります。
ボツリヌス治療の注意点
ボツリヌス治療後の痛みについて
注射による投与ですので、注射部位の腫れや内出血、疼痛などが出る場合もあります。また、最初の1週間は顎が重い、だるいなどの症状を感じることがありますが、時間経過とともに自然に消えていきます。稀にですが、一時的に軽い頭痛を伴うこともあります。
ダウンタイムについて
ダウンタイムはありません。治療後、ご帰宅いただき問題ありません。ただし、注射剤を患部に留めるため、数日間は頬部のマッサージをお控え下さい。
運動や飲酒について
歯科で使用するボツリヌス製剤の量は少量なので、当医院では特に制限を設けておりませんが、当日の過度な運動や飲酒はお控えいただければと思います。
治療を受けられない方
妊娠中や授乳中の方、もしくは妊娠の可能性がある方や妊娠をお考えの方、脊髄末梢神経の病気の方、アミノグリコシド系やポリミキシン等の抗生物質服用の方などは治療を受けることができません。
また、心臓血管の病気や免疫疾患、神経筋疾患の方などを含め病院にかかられている方は、主治医の許可が必要です。